Iさんは新卒で入社した大手電機メーカーにて人事・総務・経理畑を歩んでこられました。支店総務、支社人事などを9年間経験した後、本社人事部門に異動しました。順当に昇進を重ね6年前に管理職になっています。そんな中、同社では4〜5年前から40歳以上の社員を対象とした大規模なリストラを実施するようになり、Iさんは人事課長としてその最前線に立つことになりました。
会社の方針に内心不安を覚えるようになったIさんは30代のうちに転職しようと決心し、とある建設メーカーに転職をしますが、入社してみると入社前の話とまったく異なり、離職率が高い会社であることが判明します。Iさんにとっては社員を大切にする会社で長く働くことが第一希望だったのです。入社して2ヵ月後、転職活動を再開すると共にIさんはキャプランに登録なさいました。
一貫した経験をお持ちのIさんは、何社か面接を受けたのち、2社から内定をいただくことができました。一社は外資系企業の人事マネージャーで初年度の想定年収は800万円。もう一社は国内系メーカーで初年度の想定年収は600万円。ちなみにIさんの前職での年収は700万円です。
結局Iさんは後者を選びました。年収100万円ダウンの会社を選んだのです。結論を出すまで大変悩んだそうですが、最後は「長く勤められる会社かどうか」という視点で決められたとのこと。Iさん曰く「目先の高収入が保証されても、将来リストラされるような事態に陥っては、元も子もありませんから」
一般的に、特に現職中の方が転職なさる場合、転職で給与アップを図って当然という見方もあります。求人サイトや一部人材紹介会社ではさかんに「転職して給与アップしよう」という宣伝文句が見受けられます。現在の給与が非常に低水準の場合ならそうしたことも可能ですが、ある程度の年齢と役職を持つ世代となると、そうはいかないことが多いのです。そうおいしい話しがころがっているものではありません。また今日の雇用情勢を考えると、昔のように終身雇用が前提となっているわけではありません。どんなに給与が良くても、ある日突然リストラの対象になるリスクもあります。特に中年以降の転職は景気が良いときでも非常に厳しいものです。
たとえばIさんのように、給与が下がっても長期雇用を前提として転職するケースも考えてもいいかも知れません。
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